「店販商品を置いているのに、なかなか売れない」
「お客様に勧めると、押し売りだと思われそうで不安」
「自分は提案できても、スタッフが積極的に案内してくれない」
店販に力を入れたいと考えながら、このような悩みを抱えている美容室・サロンは少なくありません。
特にスタッフが3名程度の小規模サロンでは、接客や施術、予約管理などに追われ、店販について考えたり、スタッフ同士で話し合ったりする時間をつくりにくいのが実情です。
しかし、店販が伸びない原因は、商品の魅力やスタッフの販売力だけにあるとは限りません。お客様への伝え方や、サロン内の仕組みに原因が隠れていることもあります。
この記事では、美容室の店販が伸びない代表的な3つの理由と、小規模サロンでも取り組める改善方法を解説します。
小規模サロンの店販が伸びない3つの理由

小規模サロンの店販が伸びない主な理由は、次の3つです。
- 商品の説明が中心になり、お客様の悩みに結びついていない
- 店販をスタッフ個人の接客力に任せている
- 購入後のフォローと再購入の仕組みがない
大切なのは、無理に商品を売ろうとすることではありません。
お客様の髪や頭皮の悩みを理解し、必要なホームケアを分かりやすく伝えられる環境をつくることが、店販売上を伸ばす第一歩です。
理由1.商品の説明が中心で、お客様の悩みに結びついていない

店販が伸びないサロンでよくあるのが、商品の成分や機能だけを説明してしまうケースです。
例えば、次のような案内です。
このシャンプーには、〇〇という成分が入っています。
新しく発売された人気商品です。
髪に良いので、一度使ってみてください。
商品として間違った説明ではありません。しかし、お客様は「その商品が自分に必要な理由」まで理解できていない可能性があります。
お客様が知りたいのは、成分名や商品の新しさだけではありません。
- 自分の髪の悩みに合っているのか
- 使うことで何が変わるのか
- 今使っている商品と何が違うのか
- 自宅でどのように使えばよいのか
こうした疑問に答えることが、店販の提案には必要です。
改善のポイントは「悩み」から話すこと
商品から説明を始めるのではなく、施術中に分かったお客様の悩みから話を始めてみましょう。
例えば、次のような伝え方です。
カラー後の乾燥が気になるとおっしゃっていたので、ご自宅では洗浄力が強すぎないシャンプーがおすすめです。
今日のトリートメントの状態を長持ちさせるためには、自宅でのケアが大切です。今の髪の状態なら、このような商品が合うと思います。
この伝え方であれば、単なる商品紹介ではなく、お客様の悩みに対する専門家からのアドバイスになります。
店販で大切なのは、商品について詳しく話すことだけではありません。
「なぜ、このお客様に必要なのか」を分かりやすく伝えることが重要です。
理由2.店販をスタッフ個人の接客力に任せている

店販売上が一部のスタッフに偏っているサロンもあります。
オーナーや販売が得意なスタッフは提案できても、ほかのスタッフは商品を案内できていない状態です。
このような状態になる原因として、店販の方法がサロン内で共有されていないことが考えられます。
- どのようなお客様に提案するのか
- いつ声をかけるのか
- 商品の何を伝えるのか
- どのように使用方法を説明するのか
- 押し売りにならないために何に気をつけるのか
これらが決まっていなければ、スタッフは自分の判断で提案しなければなりません。
特に経験の浅いスタッフは、「断られたらどうしよう」「説明を間違えたら困る」と不安になり、店販の話題自体を避けてしまうことがあります。
改善のポイントは「誰でも提案できる形」をつくること
最初から完璧な販売マニュアルをつくる必要はありません。
まずは、主力商品について次の項目を整理してみましょう。
- どのような悩みを持つお客様に合うのか
- 商品の特徴を一言でどう伝えるか
- どのタイミングで提案するか
- 使用量や使用方法をどう説明するか
- よく聞かれる質問にどう答えるか
例えば、スタッフ全員がそれぞれ違う説明をするのではなく、「乾燥が気になる方には、まずこのポイントを伝える」と共通認識を持つことが重要です。
また、週に1回、10分程度でも構わないので、店販について話す時間をつくるのも有効です。
- どのような声かけに反応してもらえたか
- お客様からどのような質問があったか
- 説明しにくかった点はなかったか
こうした情報を共有することで、店販を一部のスタッフだけに任せない体制をつくれます。
理由3.購入後のフォローと再購入の仕組みがない

店販は、一度商品を購入してもらえば終わりではありません。
お客様が商品を正しく使用し、変化や良さを実感できて、初めて次の購入につながります。
ところが、購入後のフォローがないサロンでは、次回来店時に商品について触れないまま接客が終わってしまうことがあります。
お客様も、サロンで購入した商品について、自分から感想を伝えてくれるとは限りません。
- 使い方が合っているか分からない
- 思っていたような変化を感じられなかった
- 商品がなくなったが、次も購入すべきか迷っている
こうした状態を放置すると、商品に問題がなくても再購入されない可能性があります。
改善のポイントは次回来店時の確認を決めておくこと
商品を購入していただいたら、購入商品や購入日をカルテに記録しておきましょう。
次回来店時に、次のような確認ができます。
前回お渡ししたシャンプーは、使ってみていかがでしたか?
使用量や使い方で、分かりにくいところはありませんでしたか?
以前より髪がまとまりやすくなりましたか?
お客様の感想を確認することで、使い方の見直しや、より合った商品の提案につなげられます。
また、購入時に使用量と使い切る時期の目安を伝えておくことも大切です。
再購入を促すというより、「商品を正しく使い続けてもらうためのサポート」と考えると、無理のないフォローができます。
小規模サロンが店販改善のために取り組みたい3つのこと

スタッフや時間が限られている小規模サロンでは、最初から大きな仕組みをつくる必要はありません。
まずは、次の3つから始めてみましょう。
1.取り扱う商品を増やしすぎない
商品数が多すぎると、スタッフがすべての特徴を理解するのが難しくなります。
また、お客様にとっても選択肢が増えすぎて、どれを選べばよいか分からなくなることがあります。
まずは、サロンのお客様に多い悩みを整理し、自信を持って提案できる主力商品を決めましょう。
「誰に、なぜ提案する商品なのか」が明確であれば、スタッフも説明しやすくなります。
2.商品説明をお客様の言葉に置き換える
メーカーから提供された商品説明をそのまま伝えるだけでは、専門的すぎて、お客様に商品の良さが伝わらないことがあります。
商品の特徴を、具体的なお客様の悩みに置き換えてみましょう。
- ダメージが気になる方
- カラーの持ちをよくしたい方
- 頭皮の乾燥が気になる方
- 髪がまとまりにくい方
- 自宅でもサロン帰りの状態を保ちたい方
スタッフ同士で「どのようなお客様に、どのように伝えるか」を考えることが、提案力の向上につながります。
3.提案した結果をスタッフ間で共有する
商品が売れた事例だけでなく、売れなかった事例も共有しましょう。
店販の目的は、すべてのお客様に商品を購入してもらうことではありません。
どのような悩みがあり、何を提案し、お客様がどのように反応したのかを振り返ることが重要です。
小規模サロンはスタッフ数が少ないからこそ、情報を共有しやすく、改善をすぐに実践できる強みがあります。
店販は「売り込み」ではなく施術後のケア提案

店販に苦手意識を持つ理由の一つが、「商品を売らなければならない」と考えてしまうことです。
しかし、本来の店販は、サロンで整えた髪や頭皮の状態を、自宅でも維持してもらうための提案です。
どれだけサロンで丁寧に施術しても、次回来店までのほとんどの時間は、お客様自身が髪をケアします。
そのため、美容の専門家としてお客様に合ったホームケアを伝えることも、施術後の大切なサポートです。
もちろん、すべてのお客様に同じ商品を勧める必要はありません。
お客様の悩みや生活習慣、予算などを確認し、必要な場合に適切な商品を提案することが大切です。
「売る」のではなく、「お客様が自宅で困らないように伝える」。
この考え方がサロン内で共有できれば、スタッフも店販を提案しやすくなります。
店販商品や販売方法に迷ったときは美容ディーラーに相談を

店販売上を伸ばすためには、商品の品ぞろえを増やすだけでなく、サロンのお客様に合った商品を選び、適切な方法で提案することが重要です。
株式会社イケダでは、美容材料・美容器具の販売だけでなく、サロン様の状況に応じた商品提案や店販のアドバイス、セミナー、サロン経営に関するご相談にも対応しています。
- どの商品を主力にすればよいか分からない
- スタッフが店販を提案できるようにしたい
- 押し売りにならない販売方法を知りたい
- 自店の客層に合った商品を提案してほしい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
サロン様と一緒に、お客様から長く愛されるサロンづくりを考えてまいります。
よくある質問
店販商品は何種類くらい置くのがよいですか?
適切な商品数は、サロンの客層やスタッフ数によって異なります。
最初から数を増やすよりも、お客様に多い悩みに対応でき、スタッフ全員が説明できる主力商品を絞ることをおすすめします。
店販を勧めると押し売りになりませんか?
お客様の悩みを確認せず、一方的に購入を勧めると、押し売りに感じられる可能性があります。
一方で、髪や頭皮の状態を踏まえ、必要な理由と使用方法を説明することは、美容の専門家としての提案です。
購入するかどうかは、お客様に判断していただく姿勢を大切にしましょう。
スタッフが店販を提案してくれない場合はどうすればよいですか?
最初に、スタッフが提案しない理由を確認しましょう。
商品知識に自信がない、声をかけるタイミングが分からない、押し売りに見られたくないなど、理由によって必要な対応は異なります。
まずは主力商品の勉強会や、提案するタイミング・伝え方の共有から始めることをおすすめします。
まとめ
小規模サロンの店販が伸びない主な理由は、次の3つです。
- 商品の説明が中心になり、お客様の悩みに結びついていない
- 店販をスタッフ個人の接客力に任せている
- 購入後のフォローと再購入の仕組みがない
店販は、単に商品を売るための取り組みではありません。
お客様の髪や頭皮の状態に合わせて、自宅でのケア方法を提案することも、美容の専門家として提供できる大切なサービスです。
まずは主力商品を絞り、お客様の悩みに合わせた伝え方と、スタッフ間で情報を共有する仕組みをつくることから始めてみましょう。